汗の匂い/とうどうせいら
 
陽炎ゆらめく金の砂子
彩雲は海風に吹き乱れ
てのひらに燃え立つストレリッチア
放った水際 横なぎにさらわれる

あの辺を転がってく
サクラ紙みたいな柔らかいの
さっき2人で食べた
カップラーメンのフタなんだ

誰も誰もいない島
息をするのは2人
あなたとあたし
並んで座る


もし あなたが死んだら
あたし あなたを食べちゃうと思う
もし あたしが死んだら
あなた あたしを食べちゃうと思う

もちろんあたしは
めいっぱい悲しいふりして
塩コショウすると思う

やっぱりあなたは
しっかり嘘泣きしつつ
コーヒーなんか沸かすと思う

けっこうけだ
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