ふんわり風がふいて/スモモ
 
キミを見つけた。

あの時、ふんわり笑ったキミにボクの胸はときめいたんだ。

確かにボクに笑ってくれたね。

でもボクは知っているんだ。

キミの瞳がいつも前を向いていたことを。

ボクの心をみようとはしていなかったことを。

あの時

風が吹いて

空気が揺れて

キミの髪をなびかせた。

キミの瞳を動かすことができたのはボクじゃないんだ。

それは風なんだ。

だから

ふんわり笑ってくれたキミに

ぼくはドキドキして

下を向いてしまった。

でも、確かにボクに笑いかけてくれたんだよね。

風がボクのほうに吹いたから。
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