絨毯/燕(ツバメ)
 
何も考えられません
何もわかりません
何もしたくありません
何も思い出せません

きっと私は健全で
きっと世間は穏やかで

何も考えずとも
生きられるからなのですが

ときに煩わしく
ときに不安を煽り

穏やかというものが
どうも肌に合わないようで

叫びたくなります
壊したくなります

言ってみれば窮屈なのです

足に合わない靴を脱ぎ
アスファルトを歩くような

自らの発する寝言に驚き
目を覚ましてしまうような

そんな自由がありました
そんな痛みがありました

それが私であるべきと
私は
[次のページ]
戻る   Point(4)