絨毯/燕(ツバメ)
何も考えられません
何もわかりません
何もしたくありません
何も思い出せません
きっと私は健全で
きっと世間は穏やかで
何も考えずとも
生きられるからなのですが
ときに煩わしく
ときに不安を煽り
穏やかというものが
どうも肌に合わないようで
叫びたくなります
壊したくなります
言ってみれば窮屈なのです
足に合わない靴を脱ぎ
アスファルトを歩くような
自らの発する寝言に驚き
目を覚ましてしまうような
そんな自由がありました
そんな痛みがありました
それが私であるべきと
私は
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