創作の泉/ナイチンゲール
 
昔はアイディアが出てこなくて、よく悩んだものだ。
運良く出てきても自分で満足できるものではなかったり、
次の日に読み返すと思わず赤面してしまうようなものばかりで、
書きかけの作品を完成させずに破いて捨ててしまっていた。

僕は小説家になりたかった。
けれどもまともに小説を書き上げたことは数えるほどしかない。
それもすごく短い奴で。読み返すと顔から火が出そうなものばかり。

コンクールや出版賞は400字詰め原稿用紙30枚以上なんて
無茶な条件を突きつけてくる。
そんなの自分に書ける訳がなかった。

なので自分が書くのは短編小説だと割り切って書き続けた。
何十作品か作り終え
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