掌編【ロブソンのトビウオ】/EnoGu
 
な内装など鑑賞していられる気分でもなかった。 ちと残念だが。



とにかくレンタカーのサービスセンターに延滞の連絡をしなくてはならなかった。
ちかくに営業所があれば済むのだが道に迷ってしまいまるで見当がつかない。 国
道沿いならそのうち目ぼしい所へたどり着くだろうと高をくくっていたら夕方だ。 
まあそれならそれでこんどは今夜一晩の宿の確保も必要だし、それもこれもこの街の
目抜き通りの人間にいろいろ尋ねてみればわかるだろう。


指紋ひとつ無いショーウィンドーのなかには大小さまざまな色や形をしたギターたち
が続く。 なんだか主人の命令を待つロボットのように威圧的で風格すら感
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