日曜日/本村K
何日かぶりの晴天は
日曜日の昼下がり
ほこりにまみれた図書館で
染みのついたみすぼらしい壁を前に
妙な興奮を覚えている
きらきら光った窓のむこう
子どもらがキャッチボールをしている
1人はテニスラケットをその腕に抱え
ボールが行き交う光景に興奮して叫んでいる
・・・それにしてもウルサイ、ので
怒鳴り散らしてやろうと思ったが
いささかそれでは大人げない
帰れ帰れと言う代わりに
カラスの鳴きまね
寂しい男が発した
あまりに悲しいカラスの声
やがて子どもらは帰った、が
静寂は息を吹き返した、が
僕はカラスになってしまった
死んだら土に埋められる
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