視線/
ゆきお
愛していたあなたは
いつも遠くを見ていた
その瞳は揺らぐことなく
いつもまっすぐ見つめていた
遠くの雲はひとにぎりで
何もかもを見透かしているようで
私はなんだか泣きたくなった
愛していたあなたは
いつも彼女を見ていた
その瞳はよそむくことなく
いつもまっすぐ見つめていた
そして私はそんなあなたを
ずっとずっと見つめていた
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