弱虫ジミーの話/ナイチンゲール
いオニにすっかり飽きてしまって
みんなは逃げ回るふりをしながらジミーだけを残して他の遊び場へ行ってしまった
ジミーはそれでもみんなを探し続けた
もう公園にいるのはいつもベンチに座っているじいさんだけなのに
いつも自分達の事をじっと黙って眺めているじいさんの事を
みんなは悪い魔法使いと呼んで嫌っていた
ジミーはそんなじいさんの目の前を半ベソをかきながらウロウロしていた
「ジミーや」
突然呼びかけられてはっと振り返ると
いつも置物みたいにベンチから動かないじいさんが目の前に立っていた
「お前さんにこれをやろう」
それは古くさいボロボロのお守りだった
「これはな。ワシ
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