眠れないよ!/第二次テーブルマナー
 
雨が降る正午の部屋で
道路の真ん中平たくなっている猫の
記憶を探り当てた
オートミルのような音を立てて
ゆっくり地面に一体化してゆくそれは
ぶぉんと三匹になった(黒猫。ぐちゃぐちゃの骨を必死で支えながら玄関で息絶えたクロ)
(とその母親。無残な最期だった(らしい)がじいちゃんの優しさでそっと裏庭にうめられた美人チョコ)
(と捨て猫(雌だったか?雄だったか?)。鼻に指を近付けるとはむと噛むのがチャームポイントだった割腹の良いチビ)

まあ要するに
ハイビームの嵐
些末な死達に
自分を重ねたりは
しないけれど
ふいにフラッシュバックする総ては
「くそったれ」
とか
「ファック」
などと僕に言わしめた
あの田舎道のハイビームに
良く似ているよ
いつも



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