VISION/七尾きよし
 
たヤサク
見たことも無いような美しい花々と果物に満ち溢れた密林の地で
彼は無邪気さと美の女神の大胆さを兼ね備えた異国の女と出会う
彼女の名は・・・・・

ロウソクを囲み二人の美しい人たちと瞑想をしていた
意識朦朧としながら目をつぶった暗闇の中に突然
彼女を見た。シーラ・・・
彼女の二つの目がボクをとらえて離さない
何年ぶりだろう。シーラ・・・・・・
いつの間にか君のことを忘れてしまっていた
大切な
ボクの苦しみをその身で生きてくれているあなたを・・・

季節はもう秋
でもそれは
夏がその最後の美しさをボクに見せてくれた瞬間だった
秋の中に流れ込んだ一筋の夏
どこまでもどこまでも細く細く流れ込んでいく
かすれて消えてしまう前に新しい夏がくることを知っているかのごとく
シーラの物語がボクのアストラル体を覆う


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