「雪」/hiyoku
 

雪が降ってきたからさよならをして

キスをした

お互いに唇がかさかさで

ごめんね と
謝った

初めて
大きな声で バイバイと
告げた

かけ足のあたしの頭には
あの子の
笑顔

胸がかきむしられるように熱くて
こころが ひぃひぃ言ってる


ほっぺたの温度


発車のベル


動き出したバスは
あの子も
雪も


おいてった。



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