団地育ち/
ZUZU
そしてぼくは家を出ることになり
友達は結婚して
親父さんの仕事を継ぐという
べつに、あいつのくちぐせ
すっかりうつっちまった
べつに、べつに
たいしたことじゃないのさ
引越しの日
自転車で川べりを走る
初恋の女の子は
あっけなくぼくを覚えていて
あら元気?と言っただけ
アッカンベーをしたかったけど
やっぱり
なんてきれいに見えて
陽の当たる坂の上の
団地育ち
いつものような歌をきき
いつものような恋をして
いつものような夢をみる
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