喝采のクレオパトラ/カンチェルスキス
ポカリスエットの浸透、明るい未来の見通しを、流れなくなった
血液をてらしあわせて考えて、もう駄目だな、と感じ至り、
おれは眠る、臨界点や、輪郭のあるこの部屋で、切れ残った大根の切れ端、
うまく言えない下ネタ、たまりたまった缶ビールの空き缶の山、
ガスコンロの本家襲来の赤錆、
アメリカ野郎なら納得する土足オーケイの畳、
おれは涙なんか流れなかった、気絶するほどの正気さもなかった、
おれはただ一つ、部屋にあるただ一つの電話機、このつもりつもった
埃に咳き込んだ、そして
おれは唐突にオナニーする、あれやこれや世界制服や環境破壊のことを
考えて、たんぱく質の復権、
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