ヘリウム/霜天
 
音楽室には地下室も、ない
半音、上がり続けていく空の
届いていくための声
そして僕らには酸素が足りない
 輪郭だけになってしまった人たちの
 ひとりひとりの半分だけを連れて帰る
 半分の影を引き摺りながら
 足跡を越える、練習をする
 いつも眠ることだけで
 置いていけるような気がしてた
いちに、ついて
留めたいはずの声が震えて
また明日、が
かたちにならない
半音、上がり続ける音楽室の
天井にはきっと制限がない
もっと軽くなるための
儀式の一つとして
君たちは今日も
眠る
高い、空へ
走るその、速さ
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