僕らと眼鏡と優しい関係/腰抜け若鶏
 
「かけるのちょっと待った」

「え?なんで」

「かけてもいいけど、幻滅するなよ?」

「何に?」

「俺に」

「なんで?」

「いや、ちゃんと見ると俺の顔ひどいぜ?肌とか顔形とか」

「別に関係ないよ」

「いや、ぼやーってあいまいにしか見えないから
 こうして話してられるんだって」

「そんなことないよ」

「ガリバー旅行記って読んだ事あるか?
 ガリバーが巨人の住む世界に行った時さ」

「大丈夫だってば」

「何でも真実を知ればいいってもんじゃないんだよ。
 生きていくためには時には優しい嘘も必要なんだよ」

「ちょっとかけるだけな
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