ある自殺した少女の詩/虎狼
鮮やかな色彩。
見渡す限り続く自然の光景。
季節は何時だろぅ。
揺れる緑の葉。
桃色の花。
ささやかに照らすべっこう飴に似た陽光。
等間隔で置かれた神社。
一つ一つ巡る。
どぅやら山の中に居るらしぃ。
平坦な道を外れて、少し高い位置にある社に上っていく。
境内を少し外れると、階段のよぅな多少の段差がある、
朱色の装飾の屋根のある道が下に向かって続いていた。
その傍らに、艶のある生地の着物をまとった真っ白な肌の等身大近い人形が。
肌から一歩離れた全てを埋め尽くす色に見惚れながら、
シャッターを押す瞬間を逃す。
景色達をこの目に焼き付ける為に、見つめる事以外を忘れる。
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