動物抄/人間
 
〆して
腹から開いた神様の
薄い背中に
ラブレタアを書き出しましたが
5歩目が恥を覚えた代わりに宛先を忘れてしまい
6歩がトイレに入ったまま出てきません



―2・象皮症の雅美―


寝息、窓ノ
伝はるわ

侘助に、
雨露 かほる頃
新しイ御洋服を持つてきて 戴ける
ので
とつても、うれしい、あたくし
それ迄は
蜘蛛ノ糸で
あやとりヲ
シテ待ちます
 出来た!、ホウキ
で御掃除致します
良イ子にしてゐれば
侘助も
色付く

で打ち抜かれた
椿ヲ
指で
磨り潰シテ
口紅にシテ
上手におめかし出来たラ

おやみに
なつ
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