動物抄/人間
―1・鳥頭の浩司―
ついさっき
浩司は新鮮な2歩で近所の教会に初めて入り
3歩で誰かの語る神様を引きずり堕ろして
無理矢理に小銭入れの中へ押し込み
手早く生け捕りにしました
4歩で帰宅後
店先からこっそりトマトとカボチャとナスを盗り
トマトは切り込みを入れ
ナスは軽く茹でてヘタを取り
中身をくり抜き陰茎を入れ
押し入れに閉じこもり
象皮症の聡美に模したカボチャを胸に抱きながら
トマトの切れ目から舌で掻き混ぜ
ナスを激しく上下させました
事後、
「トマトとカボチャとナスと、
君と僕と暗闇は、
さみしさで繋がりました」
と
血抜きして
活け〆し
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