手書くという前の椅子を倒す/
当麻完二
小さくなっていくような
大きくなっているような
音の単音を長音と混ぜ合わせ
嘆く声を折り合わせ
つかの間の選択をたくさんの映像に埋もらせて
舞台の袖を託しかけ
小さい鉢を抱いている
右を向くと先頭に立っているもので
前からはつまらん人の罵声を受け
けったくの近くにはいけないのだと思い
思い出す
部屋のレジのたたく音それが
テレビの傍にあるレコードで
ショパンをしっかりかけたなら
空が白く写ること
耳からするりと消えるおと
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