夜園/
アシタバ
立ち込める花のいきれ
咲いているのは闇
棘を立てる傷ついた茎
棘を立てさせる傷のうずき
窪みに鉱毒色の水溜り
羽根のある女が溺れていた
罰の不在を照らす稲光
柔肌を掻き乱すさざ波
引き潮は約束までも引きさらう
来客でふさがれた出口から
長い舌を閃かしながら
夜が這い出していった
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