蝶/10010
 
メタモルフォーゼの隠喩としての蝶。

永遠に鳥と塵の中間にある蝶。

だが、メタモルフォーゼとは隠喩(metaphor)なのではないか?
あるいは隠喩とはメタモルフォーゼなのではないか?
だからわたしは蝶を選んだ。

枯れ落ちた蝶を掬い取り
わたしはあなたに蝶を差し出す

贈り物です
ふたりでわけましょう
どうやって?
噛んで。

蝶番を丁寧に開き
互いに羽をくわえて


宣る われらつがいであると


蝶番のように
つがいの蝶のように
ひとりのように
ふたりのように

われら
舞いはしない
迷いもしない

ただ

永遠に鳥と塵の中間にある蝶
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