さよならの雪だるま/ベンジャミン
消えてしまいそうな
雪だるま
白いカーテンをひきながら
僕が横になれよと言おうとしたとき
突然
妹は血相を変えて
僕の腕にからまりながら
「にいちゃん!いまね
雪だるまが、さよならて言うたんよ」と
(あーられや、こんこん…)
見ると
手袋をかぶった棒が倒れていて
「にいちゃん、あんね
あたし雪だるまに
また会おうねって言うたん」
(ふっても、ふっても、まだふりやまぬ…)
僕は涙をこらえながら
うなずくことしかできなくて
冷えた背中をくるむように
妹を強く抱きしめていました
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