菜の花/ラピス
 
ガラス瓶に傾いた菜の花があり
「一面の菜の花」が浮かぶ
どこまでも歩けた
ちっぽけなわたし
宝物の本を抱いて
菜の花の田んぼの小道が変わらないと
永遠に変わらないと
もう思わない
どこまでもアスファルト 走り抜ける自分
郵便局に
一輪の菜の花のおしべ
忘れてはいけない
忘れてしまってはいけない
同じ時代 みんな
どこででもみつけて
驚いて振り返る
走り抜けた自分
いま 菜の花とわたしと
菜の花とわたしと いまと
田んぼの小道に続く
おしべの中にめしべの中に

在った






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