風と体/
まほし
あっ、わたし
ふきとばされにきたのかもしれない
冬の砂浜では髪も波打って
耳も引きちぎられそうに寒くて
ワタシヲ
マモッテキタハズノ
カタイカラサエモ
泡となっては
あとかたもなく消えていく
ただ、ひとり立っていることだけが
たしかになって
コートのせんいのすきまから
さみしがりやの風が
忍びこんでくる
そう、きみも、いっしょだね
両腕でぐっと
風に包まれた体を抱きしめたら
芯から潮の匂いがした
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