イエス、イエス、イエス。/大覚アキラ
 
子供のころは
図鑑を見るのが大好きで、
なかでもとりわけ
『昆虫』の図鑑がお気に入りだった。

今ではあんなもの、
触るのも嫌だ。

蝶は、確かに美しい。
カブトムシやクワガタのカッコよさは、
大人になった今でも理解できる。
トンボの飛翔には、
永遠の神秘が隠されている。

でも、
あいつらの幼虫は、致命的に醜い。
そんな、生理的嫌悪を
乗り越える努力をするのは
いまさらゴメンなんだ。

だから、

イエス、
イエス、
イエス。

すべての四本足の生き物と、
すべての二本足の生き物と、
すべての足を持たない生き物と、
すべての足がいっぱいあ
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