近代詩再読 草野心平/岡部淳太郎
虫がないてるね
もうすぐ土の中だね
土の中はいやだね
痩せたね
君もずゐぶん痩せたね
どこがこんなに切ないんだらうね
腹だらうかね
腹とつたら死ぬだろうね
死にたくはないね
さむいね
ああ虫がないてるね
(「秋の夜の会話」全行)}
こうした一連の蛙の詩の中で、現在の僕が読み返してみて意外な面白さを発見したものがある。それは、「蛙つりをする子供と蛙」と題されたたった三行の短詩である。
グリャリャ
あの子のちんぽをみな
曲つティるよ
(「蛙つりをする子供と蛙」全行)
これですべてである。これのどこが面白いのか? まず一行目の「グリ
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