風花/霜天
 
明日の燻る原の声には
そのひとひらも、渡らない
青の部屋、青の床
踏み越えるたびに見据えるものは
舞う、散るよりも儚い覚め際へ
連れて行くように
恋し、と
だけ

そこからを渡る
並ぶ舟に落ちていく足音は
揃えられた言葉よりも
その向こう、不揃いな高さばかりを気にして
いつまでも響かない
ここで明日を語るにも
深呼吸が必要で


かざはな、遠くよりも
捕まえたくなるひとひらを
いつかは見ていた、気がする
青の部屋、青の床
ひとひら、ここへ来るまでに
何を見てきたの、か


明日が明日になるほどに
渡る寸前の逡巡を
自分の中のもうひとつに
押し返されてばかりいるようで

今日を今日と慰めるにも
深呼吸が必要、で
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