ドア/待針夢子
(世界は、毎日終わっているのになんで誰も彼も平気なの!)
さんざぐずった女の子は、清潔なシーツですぅすぅ眠る
おもたいミルクの呼吸が、部屋中に立ちこめる
22時、最終のからくり時計の音が、
テレビの光に反射するのが、
きれいだなと思う
こうなることは知っていたから
わたしはドアの鍵をあけていた
ねぇ、
わたしだって、こわい
何度見ても夜はこわい
何度見ても朝はこわい
でも、
あなたがここにきてくれた
ねぇ、
ゆっくりと胸を、
あげさげしていこうよ
そうすればいつか、
名前を付けたものもいつか
忘れてしまう
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