ドア/待針夢子
 


(世界は、毎日終わっているのになんで誰も彼も平気なの!)



さんざぐずった女の子は、清潔なシーツですぅすぅ眠る
おもたいミルクの呼吸が、部屋中に立ちこめる


22時、最終のからくり時計の音が、
テレビの光に反射するのが、
きれいだなと思う


こうなることは知っていたから
わたしはドアの鍵をあけていた


ねぇ、
わたしだって、こわい
何度見ても夜はこわい
何度見ても朝はこわい
でも、
あなたがここにきてくれた

ねぇ、
ゆっくりと胸を、
あげさげしていこうよ
そうすればいつか、
名前を付けたものもいつか
忘れてしまう
 
[次のページ]
戻る   Point(5)