短歌を書くときは書くことの十倍の文字を考えている/ピッピ
南町二丁目電話ボックスでさらってくれる人を待ってる
ガキ大将なんて嬉しいものじゃない道具で殺せるジャイアンのこと
死ぬ星が一番光る 遠吠えを聞いた僕らのつく嘘みたく
「コンセントの両穴になろう?」なぜとわに触り合えないものをのぞむの?
新生児平均体重50kg生まれて立ってネットの世界
メイドも眼鏡っ娘もいないけどツンデレだらけの猫の友達
毒ガスは無色透明きっとどこまでも無色透明の蝶のくるしみ
ときどきは一度壊せる玩具にもなりたい壊せる現実にもなりたい
一つの短歌を書くときは書くことの十倍の文字を考えている
「黒いのが欲しい!」カラフルランドセル売り場の前で泣く女の子
戻る 編 削 Point(13)