EYES./仲本いすら
 
再生能力をもつネズミの開発に成功した
足を斬り、手を斬り、耳を斬り、目を抉り
また生えてくる様をじっくりと観察し、記すのだ

いくら体が再生するとはいえ
体を失ったときの痛みまでも、再生できるとは思わないでほしい


どこかの国で 天国なんて無いのだと嘆いた宣教師がいる
いくら信じても、信じても、彼にはしあわせなど訪れずに
ただひたすら、他人の目に恐怖を感じている

だが、あなたに言おう
その信じていたあいだのあなたは、天国よりも尊い存在だったということ


だが、あなたに言おう
信じるだけでなく、自ら運命を捻じ曲げなければいけないことを

その目に、焼き付けていってほしい。


戻る   Point(3)