無き肩/a.u.i.
見え透いたウソと灰白色のビル
冬の空の黒さとそのシガレットはどんな味がしましたか?
チョコはやっぱりビターだと思った
ふたつめからみっつめの星をカウントすればひとつめからふたつめへは
忘れることができる
きっと私はいつまでたっても
こういう形でしか
泣くことができない
見え透いたウソと灰白色のビル
コーヒーの香りをくゆらしたら
ひどく残酷に幸福な朝に
私の詩なんかにつきあわせてごめんね、と言おう手ぶらじゃ、あれですから
大切でないもので手いっぱにいさせてゆくから
どうせならもう
報われてくれるな
本当の優しさか、偽りの優しさか
だなんて
優しいことにかわりはないから
冬の空の黒さとそのシガレットはどんな味がしましたか?
ミルキーウェイの片隅でできるだけ小さくなって泣く
何かを殺したその黙に
あなたのくれた音楽を聴いている
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