「空」/hiyoku
今日があっという間に昨日になって
昼間の青空を思い出す
吹き荒ぶ北風はヒコウキ雲を
南へ南へと連れてった
息を止めてレンズ越しに見つめている間に
雲は遠くへ行ってしまった
学校をさぼって同じ空の下 ここにいる僕とあそこにいる君
届かない距離も吹き飛ばして、空は平等に僕等に覆いかぶさる
掴めそうで届くはずもなくて
見上げては 立ち止まる
いくら目をこらしても全部なんか見えなくて
あぁ、ただ、この空はきっと大昔から変わっていないんだって、
50年前もこの場所で、誰かがこうしていたんだろうなって、心がうずいた
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