なみだ/純太
あなたから
別れのメールが来ました
気がついたのは
余光わずかな
アパートの階段を上る時
スカートの中に
想見の風が吹き込んできた
2段上がって
またメールを読んだ
左隣りの家の中
女の子が飴を舐めながら
私を見ている
3段上がった
アパートの外壁が冷たい
また3段上がって
また読んだ
背中に当たる汗が
暖かすぎる
2段上がって
部屋が待っていた
パンプスの底の音がしたようで
最初からあなたの前では
素足だったのに
裸足だったのに
純な別れ言葉を打たないあなたは
ほんとうに
ホストクラブのホストだよ
玄関閉めて
コンビニ袋をそっと置く
幕はいつも上から降りるのに
私の幕は下から込み上げる
涙が下から・・・
涙に溺れた夢を
涙で消し落とす為に
涙をたくさん落としました
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