この夜を取り巻く錯綜/a.u.i.
 
見える?
あの一等星
私はここにいる


マフラーは優しく私を愛撫したし
たくさんの人たちの祈りは闇夜に染み込むよにしてよく似合った
言葉は研ぎ澄まされてやがて空になるという迷信は、未だ空を知らず、飛べずにいる


踏切の遮断機の交互に擦れ違う音と、ふたつの赤い目が
ひとにぎりの人たちの助けを求める声のよにもきこえて


悲しくて

悲しくて

悲しい夜に、
カフェインで覚醒させられた私はいつか慣れてしまうのかな


ナメた指は少しマニキュアの味がして、
シンナーがふわり鼻と口を錯綜して
笑った。
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