幸せの代償/和泉 誠
 
二つの選択肢がある

自分には羽が生えてるかもしれない
未知なる可能性を信じて天使の後を追うか

自分は地に足をつけて歩くんだ
そう覚悟を決めて少女の手を握りしめるか

夢の続きと現実の始まり
一体僕はどちらを選ぶ?

いつか打ちのめされて夢やぶれ、夜な夜なうめく事だろう

あの時、夢を捨てるんじゃなかったと毎朝ため息と共に一日を始めるだろう

どちらも嫌だ
前に進めば生まれるのは後悔ばかり

今がずっと続けばいい
そうつぶやいたのは何度目だ?
針よ、止まれ、これ以上進むな

もう何も失いたくない
もう嫌なんだよ

何かを失うのは
誰かがいなくなるのは
何か大切なものがなくなってしまうのは

ずっと僕の側にいてよ
何も捨てないで奪わないで消してしまわないで
もう嫌なんだよ

時よ止まれ
これ以上進むんじゃない
僕は全部大好きなんだ
全部大好きなんだよ

だから、もうこれ以上…
お願いだ
時よ止まってくれ
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