無機質インターバル/本村K
鏡に映る景色は
違う世界で笑っていた
追憶に溺れては
『あの頃』が冷えた笑いを浮かべた
毎日這いつくばった恐怖が
脳のしわをナイフで刻みつける
深すぎた
震えている
うなだれた頭が飲み込まれるのは
いつも日が堕ちてから
冷房の温度は低過ぎて
肌は冷えきっていたのに
どうして離れられなかった
何かをずっと待ち続けたとしても
僕には小さな幸せ少しずつあればよかった
梅雨時の雨は出し惜しみが無く
そんな季節に気を悪くして
空に唾を吐いたって
いつまでも届きやしなかった
期待を押し殺して
この世界に何を望む
『あの頃はよかった』なんて言葉聞いてから
今を生きれなくなっていた
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