無機質インターバル/本村K
 
鏡に映る景色は
違う世界で笑っていた
追憶に溺れては
『あの頃』が冷えた笑いを浮かべた

毎日這いつくばった恐怖が
脳のしわをナイフで刻みつける

深すぎた

震えている

うなだれた頭が飲み込まれるのは
いつも日が堕ちてから

冷房の温度は低過ぎて
肌は冷えきっていたのに
どうして離れられなかった

何かをずっと待ち続けたとしても
僕には小さな幸せ少しずつあればよかった

梅雨時の雨は出し惜しみが無く
そんな季節に気を悪くして
空に唾を吐いたって
いつまでも届きやしなかった

期待を押し殺して
この世界に何を望む
『あの頃はよかった』なんて言葉聞いてから
今を生きれなくなっていた
戻る   Point(1)