アイデンティティ/本村K
 
信じもしない占いのイイトコだけ拾って喜ぶ馬鹿な自分がココに存在

することに深い同情を寄せる愚かな自分に羞恥心を露わにする自分は

くだらないことに時間を費やし睡眠時間を削りながら明日の自分を構

築するという情けない妄想に浸りつつも一方では今日の自分に自問自

答を繰り返しては罪の意識に苛まれ自分はああでもないこうでもない

と呟きながらも本当はそこまで自分は自己嫌悪に陥っていないという

矛盾の輪廻の外枠を渦のように掻きあさり結局自分は何者なのかとい

うことを知る気すら念頭に無いということを自分の意識の中に再認識

するのであった。
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