何が許せないって、その現実臭さだ/和泉 誠
彼女の何が許せないって
顔もスタイルも
ルックスなんて俺にはどうでもいい
ただその現実臭さだ
君と同じような人間は
そう簡単には見つけられないという
レアリティ(希少価値)
俺にはそれが何より大切なんだ
とびきり変わった子が好きだ
特別な子が好きだ
こんな子、存在するはずない
そんな子で俺の胸はときめくんだ
もちろんそんなの夢や理想で
一緒に暮らす事になれば
きっと幻滅するんだろう
あるいはうまくいくはずないんだ
ただ、どうしてだろう?
それが分かっているのに
現実臭さが許せない
俺は自分の側に
特別がたくさん欲しいんだ
きっと周りの人と自分とを
分けてしまいたいから
自分が特別だって思いたいから
いつまでこんな生き方続けるつもりだ?
どこかで折り合いつけなきゃ
お前、死ぬぞ?
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