【 僕と浮浪者 】/
豊嶋祐匠
街を車で
走っていた時だ
コンクリートの
道端を
ひとりの浮浪者が
歩いていた
ぺしゃんこの
ダンボールを
脇に抱え
真夏に
長袖のボロボロの
シャツを着て
とぼとぼと
とぼとぼと
人生を
諦めた様子で
歩いていた
僕は
わき見に
気をつけながら
その先の赤信号で
車を止めると
あの放浪者が
ゆっくりと
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