猥雑デイト/人間
金色の指を繁殖させて横になる縦になる
丸くなって空気穴に収まる
:地層が雪崩れ込む
軽い伐採予定地なんかに足を浸して褐色電気をグッと飲むと
涙を湛えた植物性のベタは近似値から異端児になってしまって
大きなヒレで店内のインテリアをなぎ倒して逃げ回るから
店に隠された工場はほとんど空蝉
いわば柔らかいストライキ
ショート回路くわえて燻る佳人に見惚れれば
巨大ファンが冬至を掻き混ぜる
黄色い妄想は人形模様に粘って私を自白する
密かに咲いた空をかかとで処刑します
:誰に頼まれるでもなく
来たのは陶器の太陽
文句言われたって 頼まれなくたって
私は何も言わずに撫でてる つもり
韋駄天のキッチンバサミに枝打ちされた百足の恋から烏賊の骨を引き抜いて
亀甲縛りされたくて階段上る
鋳型に込めたガラス球が繰り返す哀歌も
うたううた声は西日に包まれた時だけ愛しい
ややも断罪
華客の御髪はコントラバスの弦の薫りで
切れぬ夢に犬歯突き立てる自動ドアー
「私は小学4年生ではいられない」
こうして秘密は許されたまま遠いです
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