金(キム)/馬野ミキ
寂なる青の情景とペニスの不在みたいなものよ
我々をこのドグマから
そこまで書いてまたメールが来た
「幹さん、オレ幹さんみたいに頭よくなくて、馬鹿ですけ、そんな想像力無いんで出来ないっス。
幹さん、お願いですけ手伝ってください」
稀月
木棚
究極
菊花
金
俺はいよいよ電話をかけた
来月の詩学の連載を邪魔されている
『いい加減にしろボケ!
俺は今詩ぃ書いてんだよ!
ミューズが逃げただろうがこのだらずがっ!』
幹さん、
オレ もう いま
妹の部屋のノブに手をかけてす
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