眠れない夜・1/和泉 誠
 

夢や理想ばかりが膨らんで
その類を文字に翻訳するのだけうまくなって

尊敬なんかできたもんじゃないさ
結局何もできない何も知らない僕です

確かなもの手に入れようとしても
いざとなるとなんだか怖くなってしまう
何か大事なものを失ってしまいそうで

何もかも中途半端で投げ出して
情熱とか優しさとかとは無縁な僕です

みんなに嘘ついてます
みんなを騙して生きてます
ごめんなさい

この世界では何もかも思い通りにいかないなんて愚痴りながら
結局何が欲しいかなんて自分でも分からなくて
一体どうしたらいいんだろ?

めんどくさいの全部抜きにして僕に安らぎをください
そんな都合のいい要求
人間相手には通用しなくて当然で
だったらいいよって、また投げ出した甲斐性なしの僕


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