流れ星/和泉 誠
 
今夜は晴れ
たくさん星が降るでしょう

星が見えるから
夜が大好きな僕と
夜になって
やっと自由になれる君

聞きなれたいつもの天気予報
二人して真夜中いつもの場所で

あの頃は
僕らに明日なんか必要なくて
空から落ちてくる星の数を
一晩中数えるのに夢中だった

その日は大きな月が出てた
流れて消えてしまう星の光より
もっとはっきりした確かなもの

月はどこへ行くんだろう?
僕はその日、明日を知ってしまった
君が一番恐れていた事

あの月を追いかけていけば
僕らはどこへ行けるんだろう?
一緒に行ってみようよ

無邪気に微笑む僕と
憂いに沈む君

星の瞬きを数えるより
もっと楽しい事ができたのね
こっちの方がずっと楽しいのに

明日は雪
車を運転される方はご注意ください

今まで聞いた事のなかった
明日の天気予報
身を乗り出して聞き入る僕と
必死でその耳を塞ぐ君

流れ星は相変わらず美しいまま
けれどもう二人をつなぎとめる事は・・・
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