冬の詩/和泉 誠
 

戸惑う君に手を差し出したあの日
「さあ、一緒に行こう」

離れるのが嫌だった
それなのに
どこか遠くへ行く道を選んだ
君を連れて行けない事を知ってたのに

明日が眩しかった
今掴まなきゃ逃げてしまう
そんな気がして訳もなく焦ってたんだ

いっそ無理やりその手を掴めばよかった
それをするには僕には勇気がとても足りなくて

一人で歩く冬の道は
とてもとても冷たくて切なくて
気が付けば何度も振り返ってしまうよ
君が今から追いかけてくるんじゃないかって

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