冬の詩/和泉 誠
今夜は雪が降ると思った日
君は寒さに震えていたから
僕の話に黙って耳を傾けた
二人して、ぬくもりが欲しかった
言葉を求めると
何故か君は他人行儀で
それでも二人はどこかで通じ合ってて
だからあえて何も言わなかった
今年は特別寒い冬だった
だからなおさら二人は側に寄り添って
まるで恋人同士みたいだねって
そんな恥ずかしい事を言うと
君は早足で先に行った
あの頃は
どこに向かっていたかなんて
大した問題じゃなかった
二人して、ぬくもりが欲しかっただけ
いつからか
行き先にこだわりだして
明日にはっきりした形を求めだした
永遠の終った瞬間
戸
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