べべ/和泉 誠
大きな眼鏡におかっぱ頭
そばかすだらけのべべ
僕は君が大好きだった
君は僕の話をいつまでも黙って聞いてくれた
決して口を挟むなんて野暮なことはしなかった
君は僕がどんなに素敵な言葉を並べて誉め称えても
いつもそっけない返事しかしなかった
でも言葉とは裏腹に真っ赤になる頬がとても愛しかった
後ろ向きなマイナス思考を背負ってるくせに
夢とか理想とかそういうものばっかり語る僕に
いつも金魚のフンみたくくっついてきた
君には誰よりも幸せになってもらいたかった
僕にはそれができると思ってた
でも僕は彼女を救うには
あんまりにも無知であんまりにも無力で
そ
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