空は空/
アンテ
きじゃくるフリをして
こっそりと空を窺う
虫取り網の準備は怠らない
晴れの日には
買ったばかりの絵の具と筆を出して
白い服に模様を描く
羽を広げた鳥
もつれ合って昇っていく風船
花びらが満開のひまわり
だれもみな
空が愛おしい
証拠に
服をまとって駆け出すと
こんなに身体が軽い
次の日には
またべつの空
違うわたしが待っているけれど
いつだって
空は空
いつだって
わたしはわたし
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