ランドセルと雨/tondemon
 



太陽と青い空は
罪悪感の象徴だった
だから雨の日に外に出た

田んぼの中にどんな虫がいるのか探して、
森の中にどんな虫がいるのか探して、

たまには行ったことのない場所にも行くけど
すぐ恐くなって逃げるように帰った

橋の上から流れる
川のうねりを見ていた
草原の先
遠く走る電車を見ていた




世界を全部回ったら
満足もせず家に帰った
することもなくただ
行きたくない場所と自分の意思だけは判っていた
つもりだった
弱々しい罪の意識の中で




ランドセルと雨
学校から帰る子ども達を見つめていた

太陽も子ども達も
同じだった
見つからないように
見つめていた

お母さん
ごめんなさい


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